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09.03.2016NGES職人プログラムの参加者 (製パン, 男)

応募への経緯

 僕はもとからドイツにはとても興味があり、ドイツ語を少しずつ勉強して、いつかドイツに行ってみたいなと漠然と考えていました。
 今回のプログラムに参加してからも、応募する際にもよく聞かれることですが、なぜドイツなのかときかれても、正直うまく表現できません。気付いていないだけで何かきっかけがあったのかもしれませんが、昔からなんとなく好きであって、特別何でそう思うのかはよくわかりません。なので、だいたい Ich weiss es nicht…. と答えておくのですが、それはドイツで生活するうちにわかるかもしれないしわからないかもしれません。
 2009年6月に、1週間だけベルリンで語学学校に通いました。これは旅行のパンフレットを見ていたら英語の語学学校に通いませんか、というものをたまたま見つけてドイツ語もあるのかなと探したら見つけて、1週間から通えるというものがあったからです。あと、ちょうどドイツ語をもっとがんばろうと思って現地に行けばがんばるきっかけになるかと思ったからでした。その後勉強をものすごくがんばったかというとそうでもないですが、とてもいい経験だったと思います。
 通信工事会社に勤めていて、1週間以上の休みを取ることがその時働いていた会社では難しかったので、1週間という短い間でした。ただ、やっぱり1週間というのはとても短くて、もっと長い期間で学びたいと思ったし、また行きたいと思いました。ヨーロッパは遠くて飛行機も乗っている時間が長いし、費用も結構かかるから気軽には行けないのですが。また、その頃は僕の貯金もたいしてなかったので、長期間の滞在は難しかったと思います。
 それからもたまにドイツでなくても海外で暮らしてみたいなと思うことがありましたが、英語にしてもドイツ語にしても仕事で使えるレベルではないと感じていたので、現地に行くにしてもまずは、語学学校等で言葉を勉強してからだなと思っていました。
 そんな中、会社でアンゴラというアフリカの国に出張で行くことを数年にわたって何度か任されることとなりました。1度に行くのは最長で3か月ひとりで行っていました。その時に海外で働くのってなかなか楽しいなと感じたのと、出張だとそこの住民として暮らしているのとは少し違うので、現地の住民として暮らしている感じを味わってみたいなと思うようになりました。
 その後国内で異動になり、東京から徳島へ転勤しました。仕事そのものはおもしろいと思っていましたが、仕事も含めた徳島での生活に嫌気がさしはじめて、とりあえず最長でも年度末には辞めますと上司に伝えました。さすがにせめて次を決めてからにしなさいと言われたので、語学学校に長期で行くだけでもいいかなと思いながらインターネットで検索していたら、NGESのホームページを見つけて、これだと思いました。それが、2015年7月のなかばです。
 僕にとって語学学校に半年程度とはいえ通って勉強したあとに職業訓練を受けて働けるというのは願ってもいないチャンスでした。念願の海外での、それもドイツでの生活ができるとなったら申し込むしかないなと思いました。ただ、申し込み期限までしばらくあったので、10月末頃までに申し込むとして、他にも何か選択肢がないかと多少は探していましたが、NGES以外でのちょうどいいものが見当たらなかったのと、ほとんどこの職業訓練プログラムに心が決まっていたので、実際はあまり真剣に他を探していませんでした。
 10月頃になって、そろそろ会社を辞める話も具体的にしたいのになかなか進まないので、次を決めてしまおうと思い、申し込みをしました。通信工事とはかけはなれていますが、職業訓練としてはパン職人を選びました。パンが食べ物として好きですし、クッキーやカップケーキやパウンドケーキなどを作ることやホームベーカリーでとはいえパンを思考錯誤していろいろと試して失敗しながら作るのが楽しかったからです。それに、パンであれば主食でみんなが欲しがるだろうし、生きていくにも困らないかなと思ったところもあります。
 申し込みをして、こんな貧相な理由でいいのかなと思っていましたが、返信を見たら、面接があるとはいえ、なんとか大丈夫そうなだと感じました。もちろん面接でオーケーをもらうまでは不安でしたが。知り合いから日本でもパン作りの勉強はできるじゃないかといわれることもありましたが、僕としては、ドイツに行きたいという気持ちが強かったので、日本でというのは全く考えていませんでした。ドイツのパンについての知識もなくて、プレッツェルがパンであることすら最近知りました。
 働いていた会社を辞めたいというネガティブなスタートというのは、イメージがよくないかもしれません。34歳なので、新しいことをはじめるには年齢なんて関係ないとはいえ、働くとなるとある程度若くないと大変かなという思いもあり、ギリギリのところかなと思って思いきれたのかもしれません。それに人生楽しく生きたいなと思ったので、これからは好きなことを思いっきりしたいと思いました。会社の命令でする、というのではなくて、自分で、よしパン職人になるぞ、って決めたからにはなんとかパン職人資格をとってドイツで働きたいです。修行はパン職人としてですが、生活する中でパン以外のこともいろいろと知りたいなと思っています。まずはビールやワイン、近隣諸国への観光とかでしょうか。

ドイツ語の勉強について -日本で、そしてドイツへきてから-

 職人修行プログラムになぜ応募したのかのところでも話しましたが、ドイツ語というか外国語をいろいろと身につけたいと思っていました。図書館で本をパラパラめくったり、NHKの番組をたまに見たりするぐらいでした。もやもやっと勉強したいと思っているだけで、しっかりと道筋を考えたり具体的な形を思い描いたりしていたわけではありませんでした。
 中学校を卒業する頃に公文式の通信講座でドイツ語を数年やらせてもらって、その後高専で1年必修でしたので、そこで学びました。ただ、今でもそのときのノートを開いて見返すことがあるのですが、この頃にこんなこと勉強していたのなら、今もっと先まで理解できていてもいいのではないかと思うぐらい、文法等の知識が蓄えられてはいない状態でした。それから今にいたるまでは、たまに思い出したように基礎的なところを勉強するくらいで止まってしまう状態で、それは2009年に1週間だけの語学留学でがんばるぞと思ってからも、たいして変わりませんでした。
 それから2015年にいよいよドイツに行くことをあっという間に決めてしまったのですが、日本国内では特に必要ともしないドイツ語を勉強するためのチカラはなかなか難しかったです。手元に教材は大量にあるものの、なんだか手がつかず、スマートフォンのアプリのduolingoというものをできるだけ毎日続けてやってみました。日本語でドイツ語ではなくて英語でドイツ語を勉強する感じにはなりますが、多少は役に立ったかなと思います。
 それも渡航の3ヵ月前頃からやらなくなり、直前に簡単な会話を勉強することもなくドイツにきてしまいました。もう少ししっかりやっとけばよかったなぁと思いましたが、あとのまつりです。
 といっても全くわからないわけでもなく、なんとなくはわかるししばらくすると思い出すこともあります。到着したときは、なによりドイツに来られたことが心から嬉しかったです。
 ドイツ語コースでは入校時に口頭で話すテストでクラス割り当てをされました。きかれたことは簡単な自己紹介で、何年ドイツ語を勉強しているかということやドイツで何をするのかといったことだったと思います。あと、どんなことが好きなのかとか。そこで一度はA2のコースになったのですが、まだまだ未熟だという判断が入ってひとつ下に落とされました。それは大変ショックでしたが、しょうがないのかなと真摯に受け止めてこの先そんなことにならないようにしようと思いました。
 ドイツへきてからは初日から朝、授業の前と授業が終わってから以前買った問題集やこちらで入手した本などで勉強をするようにしています。パンの修行先で受け入れてもらえると決まったときも普段の生活でも、もっと理解できるようになりたいという気持ちは増す一方ですし、いいことばかりではなくとも楽しい生活をおくるためには話せる方がいいしたくさん読んでみたい本もあるし、なにより職人となるときによりよく理解できるようもっとがんばろうと思いました。
 ドイツ語コースで使うテキストでは普段の生活に存分に役立つ内容が盛り込まれていますし、授業の中で話す練習、書く練習がたくさんあります。あ、これ授業でやったな、という表現に町中で出会うこともしばしばです。こないだまで全然わからなかったドイツ語もだんだんわかるようになってきます。生活への慣れや様々な人の発音の癖や先生のよく使う表現等、いろんなことを目にして耳にして毎日頭が爆発しそうですが、それも次第にあふれなくなってくるでしょう。
まだまだはじまったばかりでこれからというところですが、少しでも上達できるようがんばっていきます。

ドイツ、ミュンヘンでの暮らしについて

A. ドイツ語学校、ドイツ語
 職人養成プログラムに参加し、ドイツへきてまずはドイツ語の学習をしてから3週間ほどが経ちました。あらゆるものがものめずらしく楽しいです。ドイツで生活するのが目標で、その第一歩が踏み出せたのもとてもうれしいからかもしれません。
 ただ、はじめは楽しいばかりではなく、普段なれないドイツ語まみれの生活なので、頭が爆発しそうなぐらいいろいろな情報が入ってくるので、かなり疲れました。1週間、2週間と時を重ねるごとに、街中や学校で耳にするドイツ語や語学学校のクラスメートのしゃべるその他のコトバを理解したり教えてもらったりしているうちに、だんだんドイツ語にもなれてきて、夜、少し遅くてもなんとか生活できるようになってきました。また、はじめはがんばろうと思っていたドイツ語の勉強も怠けてしまうようになってくるのも、自分でいましめないといけないなと感じています。
 語学学校では主に週末に少し遠出をするイベントを開催しているのでそれに参加することもできます。近くのミュージアムやお城を見学や、ドイツならではのビール工場見学があります。学校が開催するのを待たずとも、クラスメートと観光したり食事に行ったりすることもできます。いろんなことを知ることができ、とても興味深いです。
 まだまだドイツ語を話す機会はあまりないですし、あまり積極的な性格でもないのでスーパーに行って、Danke! Bitte! を言うのが主で、たまにぶつかってしまっても Entschuldigung ともなかなか言えないこともあるので、喋る練習を、してみようと思います。
 授業中にもたくさんの練習や学習の時間がありますが、その前後の自習や友達との学習の時間が重要だと思います。私も含めて。

B. 食事
 チップのことを考慮しなければ日本で外食するのとそう変わらないと思います。このへんは個人の感覚の違いもあるので一概には言えませんが。しかしながら長い滞在になることもあるし、職人修行が始まるまでは収入もなく、毎度まいど外食をするということはせずに節約しておきたいかと思います。
 そこで安価な野菜や肉等を買ってきて自炊をします。日曜日はスーパーが閉まってしまうので遅くとも土曜日の夕方までには食べ物を入手しておく必要があります。もしくは街の中心部のマーケット等一部は開いているので、そこでなんとか入手します。私は金曜日か土曜日に準備するよう心掛けています。
スーパーでは買い物袋をタダでくれないので、買い物袋を持っていくか、レジに置いてあるビニールや布の買い物袋を買う必要があります。私はこの布袋を集めるのが好きなので、行ったことのないスーパーに入ったら布の買い物袋を買ってしまいます。また、買い物かごもあまり見ないので、持ってきた買い物袋に一度入れておいてレジで一度出して精算するという具合です。
私はパンとパスタがあればわりと生きていけるなと感じているので特に必要だと思っていませんが、米も売っていますし、日本で買うのよりかなり値段ははりますが日本でよく使う食材やお菓子を売っているお店もあります。どうしても米がないとダメという場合は炊飯器を用意しとくと便利かもしれません。

C. その他
 授業は昼1時 (13時) までなので、そのあとは自由に過ごします。自習をしたり、ごはんを作ったり、映画を見に行ったりなどなどさまざまなことに使えます。ここは本当に自由です。
私はミュージカルが好きなのでミュージカルを観に行ったり、学校で安く買えるオペラを観に行ったり、プールに泳ぎに行ったりしています。まだほとんど歩きですが、近々自転車を入手できたらいいなと思っています。
 職人修行がはじまったら今よりさらに目まぐるしくことが進んでいくのだろうなという漠然とした感覚ですが、語学学校にいる間が一番ゆとりのある時間だと思うので、この間にある程度の観光をして、勉強したドイツ語の練習を兼ねて話をしてみるのがいいのかなと思います。
 周辺にはスーパーがたくさんあります。いわゆるドラッグストアもあります。日本のコンビニほど遅くまではやっていませんが、案外朝の7時や8時から開いています。朝はいろいろ早いです。夜はおおむね20時頃には閉店します。役所関係は曜日によって開いている時間がまちまちですので注意が必要です。
これはどうしても必要である、これはよく使う、というものは、ドイツでも買えるかもしれないですが、気に入ったものがあるならある程度の数量を持参した方がなにかと安心できると思います。特に歯ブラシはヘッドの大きいものが主流です。小さいものも子供用以外にもあるにはありますが。醤油、みそ、文房具などいろいろ。

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