10.10.2020NGES職人プログラムの参加者:整形靴 (女)
私は2015年にこのプログラム(職種:整形靴:Orthopaedieschmacherin)へ参加して、早1年が経ちました。半年間の語学学校を経て、勤務先への面接・契約書の作成、Visaの取得、その後ドイツでの勤務・職業訓練校(日本で言う専門学校に近いです)の開始と、慌ただしくも充実した生活を送っています。今後参加を検討される皆様の参考になればと思い、このプログラムへ参加した経験を書かせていただきます。
整形外科靴製作士としての勉強風景
1.Video
整形外科靴の製作工程:
2.Video
糖尿病患者様への対応:
患者様が怪我をしないよう、細心の注意を払いながら対応をします。
糖尿病患者様の靴は痛みや怪我の無いように、柔らかくかつ内側に縫い目の無い靴を製作します。
【このプログラムに参加してよかったと感じたこと】
●語学学校へ同時期に入学する日本人がいる
私は初の海外生活がこのプログラムでしたので、渡独するときは何かと心配で仕方がありませんでした。しかし現地入りすると同じこのプログラムの参加者がいたので、幾分安心しました。語学学校中は、同じ志を持った日本人とともに助け合い、そして切磋琢磨しながら時が過ごせたことは、本当に良かったです。初めての海外はトラブルが多かったり、生活が違い体調を崩したりするので、最初に支えあう日本人がいて助かることは多かったです。
●面接のときにデーネさんが立ち会ってくれる
ドイツ語が拙い状態で迎えた勤務先の面接日, NGESのドイツ人のデーネさんが立ち会ってくれた安心感は言葉では表せないほど大きかったです。特に国が変われば慣習も変わるので、ドイツにおける面接の作法等、事前に教えていただいた上で面接に臨めたことは大変有意義でした。
●Visa取得が比較的容易
Visa取得においては、私の場合、ほとんどストレスなしで取得することができました。もちろん日数がかかったり、問題はゼロではありませんでしたが、単独でドイツ入りしVisa申請をした友人の話と比較すると、格段に楽だったと感じました。慣れない土地、慣れない言葉で、最も重要なVisa取得が比較的容易なことは、大きな強みかと思います。
●デーネさんとほとんど不自由なく日本語会話ができる
直接会って話はもちろん、スカイプでも、顔の見えない電話でも、問題なく日本語でやりとりをしてくださいます。私は参加当初、ドイツ語はもちろん、英語も話せませんでしたが、デーネさんと問題なくやり取りをさせていただきました。日本語が話せるかつ現地に住んでいるドイツ人が就職を支援してくれることは魅力的だと思います。
【このプログラムに参加した上で大変だったこと】
●勤務先はほとんど選べない
私は最初、勤務したい会社が具体的にありましたが、なかなか希望通りにはいきませんでした。なぜなら(ホームページにも記載がありますが)、アウスビルディングの制度では、学費の支払いや住む場所の斡旋を会社が行ってくれ、よって敢えて外国人を迎え入れてくれる会社は多くないのが現状だからです。つまりアウスビルディング後に母国へ帰国する可能性のある外国人を採用すること自体に、会社側のリスクが伴い、採用には大変慎重になると伺いました。ただ、その中にデーネさんの思いを理解し、日本人に働く場所を提供してくれる企業があって、就職の道が開かれることになります。もし職種だけでなくより具体的な勤務先や希望する仕事内容があるのなら、参加前にデーネさんへ相談することをお薦めします。
●家探しや就職後の支援の質は勤務先に左右される
デーネさんとの契約の大部分は渡独後から就職するまでの期間となります(就職してからも連絡はしてくださいます)。よって、アウスビルディングが始まると、家探しや起こり得るトラブルは就職先の方々もしくは時には1人で解決していくことになります。1人で全てを解決することは難しかったり、心が折れそうなこともあるので、そういった意味でも同じプログラムの参加者がドイツにいることは海外生活の支えとなっています。
ドイツに来て、もちろん楽しいことばかりでなく辛いことも多いですが、今の私の気持ちは「思い切ってドイツに来てよかった」と感じています。この文章がプログラムへ参加するかどうか、悩んでいる方の参考になれば幸いです。